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【茅葺き特集】平成29年度 重要文化財 玉若酢命神社 本殿保存修理工事<第1弾>全体の流れ

玉若酢命神社 茅葺き葺き替え

約17年ぶりに修理工事をおこなう重要文化財・玉若酢命神社本殿。

屋根の葺き替え工事を中心とした、工事期間6か月に及ぶ修理工事の様子を4回に分けてご紹介します。

▼こちらは、施工前の様子
玉若酢命神社 茅葺き屋根

前回の屋根の修理は、埋蔵物調査も含めた大規模な保存修理工事でした。(平成12~14年)

茅葺きの場合、地域・環境・建物・屋根材などによって屋根を葺き替える期間は様々ですが、近年はおおよそ20年に1度は総葺き替えをおこないます。そのうち10年に1回程度、屋根の痛みが激しい部分のみを修繕することが望ましいとされています。

今回は事前調査の結果、身舎(もや※1)部分の茅葺き屋根が全体的に損傷しているために、茅葺き部分を総葺き替えとし、それに伴い棟飾り木部の修理、向拝(ごはい・こうはい※2)部分の檜皮葺も修理することとなりました。

※1「身舎」:殿舎の主体となっている中央部分。母屋とも書きます。
※2「向拝」:本殿の正面に、礼拝のために設けられた張り出した部分のこと。

向拝と母屋

事前調査で修理の範囲を確認した後は、着工に向けての準備となります。

まずは神様(ご神体)のお引越しである「遷宮」をおこないます。
ふだん、神様は本殿にお住まいですが、工事期間中は拝殿内に仮宮を建て、そちらに遷っていただきます。

▼拝殿に設置された仮宮
遷座祭 仮宮

続いて、素屋根架けです。
施工期間が約半年と長期間に及ぶので、本殿を覆う仮設屋根となる全天候型(※3)の「素屋根」を設置します。

※3「全天候型」:雨や風など、どんな天候でも耐えられるしくみのこと

▼外部足場を組み、この上に素屋根をかけます。これにより、修繕中の建物を雨や風から保護します。
玉若酢命神社 茅葺き葺き替え

準備が整ったら、いよいよ修理工事開始。
向拝の檜皮葺の葺き替え、身舎(もや)の茅葺きの葺き替え、棟の木部(棟飾り)の修理工事となります。

さらに防災工事(自動火災報知機の保全)や本殿下の三和土(たたき)の工事もおこないます。

全施工が終了したら、竣工検査ののち、ふたたび神様を本殿に遷す「遷宮」をおこなって完了となります。

第2弾記事では、向拝の檜皮葺の葺き替えの様子をご紹介。
玉若酢命神社 檜皮葺
弊社の職人と兵庫県丹波市の村上社寺工芸社さんから来られた職人さんがともにおこなった施工をレポートさせていただきます。
>>【茅葺き特集】平成29年度 重要文化財 玉若酢命神社 本殿保存修理工事<第2弾>檜皮葺の葺き替え

続いて第3弾記事は、身舎(もや)の茅葺きの葺き替えです。
玉若酢命神社 茅葺きの葺き替え
茅をいちど全て取り外し、健全な部分は残し、傷んでいる部分は取り替えていきます。
>>【茅葺き特集】平成29年度 重要文化財 玉若酢命神社 本殿保存修理工事<第3弾>茅葺きの葺き替え

最後に第4弾記事は、棟飾りの木工事の様子を。
棟飾り
いちど取り外して状態確認したものを、部分的に新調して再度載せる工事となります。
>>【茅葺き特集】平成29年度 重要文化財 玉若酢命神社 本殿保存修理工事<第4弾>棟飾りの木工事と三和土の仕上げ

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