特集コンテンツ
3.22015
【木の家ができるまで】<施工開始2ヶ月目>建て前と、屋根仕舞い
祈願祭
工事着工前に安全祈願祭を執り行うところも多いですが、弊社の場合は、建て前(主要な柱・梁などを組み立てる日)に祈願祭を行います。
祈願祭は家主さん、施工業者が、何事もなく無事に竣工を迎えられるように祈りを捧げます。
▼家主さんもおこないます
建て前
基礎工事が完了すると、次は家の構造部分(柱・梁など)を組み立てていく、「建て前」という工程となります。
まず、建て前に必要な足場を組み、高い場所での作業スペースを確保します。
場合によっては、隣の家のギリギリにまで足場を組むこともあります。
敷地に限りがある場合は、資材などの搬入・置き方にも注意を払います。
棟梁の指示のもと、番付(ばんづけ)した柱・梁を組み立てていきます。
弊社では、自社でプレカット加工(事前に木材の加工をおこなうこと)をするので、それぞれの部材を全て把握することができます。
そのため、スムースに作業を進めることができます。
構造部材も、ほとんどが地元・隠岐の島の木材です。
その土地で育った木をその土地で使うことが、その木材にとって一番無理のない使い方だと考えます。
柱は主に杉や檜材、梁は松や杉材を、土台は檜材や防腐剤を注入した材料を使用します。
現場工事期間において、建て前時が最も危険な工事ですので、細心の注意を払って作業を行います。
通常、2~3日で屋根まで組み立てます。
重機(ラフター)を使って、建て前作業を行います。
これを使えば重い材料もラクラクです。
屋根工事
柱・梁などの構造部材が組みあがったら、次は屋根工事です。
垂木(たるき)(細長い部材)を取り付けて、その上に野地板(のじいた)をはりつけます。
屋根瓦の下にはアスファルトルーフィング(防水シート)を張ります。
万が一、瓦など屋根から雨水が漏れても家内に雨水が入り込まないよう、しっかり重ね張りします。
その上に、瓦桟(かわらざん)を打ち付けます。この瓦桟に瓦を引っ掛け、ビスで瓦を固定します。
瓦揚機(マイティパワー)を利用して、瓦を屋根まで運びます。
瓦の重さは1枚で3kg近くあるため、自動で屋根まで運べるこの機械は、瓦屋根職人の必須道具なのです。
建て前開始から、1週間程度で瓦葺きまでの工程が終わります。
屋根の内側の様子。
上から
①【野地板】 瓦を支える、瓦の下の板
②【垂 木】 瓦、野地板を支える、細長い部材 野地板、垂木
③【母 屋】 瓦、野地板、垂木を支える
④【小屋束】 瓦、野地板、垂木、母屋を支える
⑤【 梁 】 上記を全てを支え、この重量を柱に伝える
⑥【雲筋違】 水平応力部材
外壁工事
屋根仕舞が終わると各担当スペースに分かれて作業を進めます。
これから床を作り、各部屋の間仕切り壁や天井を作ります。
外部に足場を組み、外壁工事を行うための安全な作業スペースを確保します。
安全看板や法令看板を設置し、安全啓蒙活動にも取り組みます。
万が一、外壁が損傷した場合のために、外壁の下地にも雨水が家内に侵入しないように防水シートを張ります。
このシートは外側からの水の浸入を防ぎ、内側からの湿気を外に逃がすことができる『透湿防水シート』です。
なんと、今回作業をしているこちらの少年は、中学校から職場体験学習にきた、生徒さんです(下写真)
建築現場にはいろんな職種の方が出入りしますので、常に現場はきれいに整理整頓をするように心がけています。
構造検査
柱・梁の建て方が終わると、柱と梁、柱と筋交い、などの接合部に適正に接合金物が取り付けられているかを検査します。
これらが適正に取り付けられていないと、設計上の強度が確保できません。
さらに柱・梁などの接合部分は、建物が完成すると見えなくなってしまうところが多いので、後で確認することができません。そのため、非常に重要な検査となります。
1級建築士や、1級建築施工管理技士などの国家資格を持っている検査員が、社内検査を行います。
これから内装・外装共に仕上げ工事に進んでいき、多くの職人さんが出入りするため、徐々に現場がにぎやかなになっていきます。