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12.172015
【茅葺き特集】日本茅葺き文化協会の講習に行ってきました
茅葺き職人の技術向上にむけて、一般社団法人日本茅葺き文化協会の講習に参加をしてきました。
弊社の職人は茅葺専門の職人ではなく、茅葺の知識も経験もまだまだ少ないということで、日本の伝統技術技能を継承するため、島内の文化財の保護のため、茅の生態系・茅の刈り方・茅の葺き方を一から学ぶことのできるこの会に参加しました。
会場となったのは、リゾート開発により減少した茅場を、村をあげて保全しているという長野県北安曇郡小谷村です。
▼茅は、カマで刈ります
▼「茅立て」を作っているところ
現場の様子を、動画でアップしてみました。
小谷屋根の職人さんは手早くパパッと茅を刈って、茅立てを作りますが、参加者たちには時間がかかります。(その差は動画をご参照ください)
▼こちらが、小谷屋根の職人さんによる「茅立て」
▼弊社の職人による挑戦はこちら
そんなこんなで、茅刈りの体験学習は終了。夜の勉強会へと会場を移します。
勉強会では、小谷村松本村長のご挨拶に始まり、続いて信州大学の井田秀行先生による、研究結果をもとにした「茅の生態について」、最後には小谷屋根の松澤敬夫親方による「茅刈・茅葺の現状と取り組みについて」を、経験をもとにわかりやすくお話を頂きました。
講習会の後は、地元のお酒を酌み交わしながらの交流会。
翌日も作業があるので早めに切り上げる参加者も多数いるなか、74歳の親方は最後までお付き合いくださり、たくさんの貴重なお話を聞くことができました。
2日めは、手作りの小屋に実際に茅を葺く体験をおこないました。
この小屋は、なんと親方による手作りで、古民家の古材や自山の木を使って建てられています。
昨年、刈り取った小茅を使っての茅葺体験。
地域によって、葺き方は異なるので、弊社の職人は知らない葺き方・縄の結び方を学ぶことができました。
茅葺きの技術から、文化財の必要性まで、様々なことを教わった2日間でした。
▼親方と記念撮影
【職人より、感想】
現地に着いて、一番最初に気付いたのが環境の違いです。(海に囲まれた隠岐の島と北アルプス麓の長野県小谷村)
湿度が全く違うことにびっくりしました。小谷村はカラっとしています。
この環境の違いにより、山林の表情も植生も異なりますね。
茅刈り、茅葺きについては小谷屋根の職人さんが丁寧に指導してくださり、非常にわかりやすくスムースに作業をすることができました。
また、職人さんの茅葺屋根に対する熱い思いをひしひしと感じました。大変いい経験になりました。
また、機会があれば参加したいです。